British and Commonwealth's AFV

巡航戦車マークI(World at War 1/72)

A9 Cruiser MK. I, 1-72, World at War

 

1930年代に主力戦車として開発されたのがA9です。当初は主力戦車Mk. IIIの支援車両として企画されましたが、同車がキャンセルされ、お鉢が回ってきた形です。その後、英軍が巡航戦車と歩兵戦車の区分を導入し、前者に位置付けられることになり、巡航戦車Mk.Iの呼称を得ました。フランス派遣軍に配備され、ダンケルク撤収までの緒戦に参加しました。

キットはWorld at War(IBG)インジェクションです。

巡航戦車マークII (World at War 1/72)

A10 Cruiser MK. IIA, 1-72, World at War

 

中戦車A9の装甲強化版として1938年に正式採用されたのが本車です。その時点で英軍は、軽装甲・高速の巡航戦車と重装甲・低速の歩兵戦車を2軸で戦車を開発する方針を固めました。その意味で本車は中途半端な存在だったといえるでしょう。巡航戦車Mk.IIとして正式採用された時には、後継となるA13の開発もスタートしていました。

フランス派遣軍の他、ギリシア、北アフリカ戦線で運用されました。

 

 

クルセーダー マークI(S-Model 1/72)

Crusader Mk. I, 1-72, S-Model

 

イギリス軍がA-13系の後継モデルとして開発した巡航戦車がクルセーダーです。クリスティー方式の懸架方式を採用しており、T-34の遠戚ともいえそうです。アフリカ戦線に投入されましたが、主敵の独III号戦車と比較すると、主砲の2ポンド砲が威力不足で苦戦を強いられつつも、後継のクロムウェルやM4へのつなぎとして力戦しました。キットはS-Modelのインジェクションを採用しています。

 

 

クルセーダー マークII CS(S-Model 1/72)
Crusader Mk.II CS, 1-72, S-Model

 

クルセーダーIの装甲強化版がII型です。これに近接支援用に3インチ榴弾砲を搭載したのがCSです。I型に比べて少し精悍な感じになっています。S-Modelのキットは2個1ですので、上記のI型とこちらで作り分けています。サンドとブラックの迷彩はかなりインパクトがありますが、アフリカの強烈な日射の下では効果があったのでしょうね。

 

クルセーダーマークIII(IBG Models 1/72)

Crusader Mk. III, 1-72, IBG Models

 

クルセーダーの最終型です。主砲を6ポンド砲に強化し、これに合わせて砲塔が拡大され、前面装甲も51mmに強化されています。この影響で砲塔には車長と砲手の2名になってしまい運用上の制約になりました。キットはIBGのインジェクションです。グリーン系のクルセーダーを見てみたかったので、ポーランド亡命政府の所属車両にしてみました。

Crusader Anti Aircraft Tank Mk.I  w/ 40mm Bofos Gun prototype (IBG 1/72)

 

クルセーダーにボフォース40mm砲を搭載した対空戦車バリエーションです。この車両は四方を装甲板で囲ったオープントップの砲塔を備えた試作型です。砲塔が重すぎ、回転速度に問題があったことから、量産型は前面のみ、あるいは前後左右の3方向のみと装甲が簡素化されたようです。性能はともかく、外観はなかなか精悍で恰好良い車両です。

Infantry Tank Matilda II (S-Model 1/72) Vol.1

大戦前期に英軍が運用した歩兵戦車です。1938年から生産され、レンドリース分も含めて43年までに2890両生産されました。歩兵支援のための装甲が優先され、武装は非力な2ポンド砲に留まり、かつその重さから低速でした。各戦線で運用されましたが、本車は北アフリカ戦線仕様。独特の迷彩で特徴です。当初は主力戦車として活躍し、ドイツ軍は88mm水平射撃でかろうじて対抗できた逸話が有名です。

Infantry Tank Matilda II (S-Model 1/72)Vol.2

 

キットはS-Modelのインジェクションです。例によって2個一ですので、こちらは1940年のフランス戦線でドイツ軍の電撃戦に対峙した車両を再現してみました。塗装が変わるだけで随分印象が変わります。この時点でドイツ軍の戦車は、Ⅰ号、II号、35(t)、38(t)あたりが中心でしたから、マチルダの重装甲はいかんなくその威力を発揮したものと思われます。

M3 グラント (Milicast 1/76)

M3 Grant, 1-76, Milicast

 

M4までのストップギャップとして登場したM3の英国軍仕様です。無線機を搭載するため、後部がせり出した、複雑な面構成をもつ砲塔を搭載しています。1941年3月に試作車が完成し、その後2000両ほどが生産されたようです。アフリカ戦線で重用されました。キットはミリキャスト製のレジンです。同社によれば、数あるグラントキットの中で、最も正確に砲塔を再現しているとのことです。

シャーマン マークIII(Dragon 1/72)

Sherman Mk. III, 1-72, Dragon

 

大量生産されたシャーマンには様々なバリエーションがあります。これは、米国でM4A2と呼ばれるタイプです。開発当初から搭載されてきた星形空冷エンジンの供給制約に対処すべく、GM製ディーゼルエンジンを採用しました。海兵隊を除けば、ガソリンエンジン主体の米軍の運用には合わず、もっぱら英国やソ連に供給されました。英軍ではこれをMk.IIIとして運用。アフリカ戦線で投入された当車がM4の実戦デビューです。

 

Cruiser Tank A30 Challenger (Hauler 1/72)

  

強力な17ポンド砲をクルセーダーの車台に搭載すべく開発されたのが本車です。1942年当初から開発が始まりましたが、試作型の性能評価が芳しくなく、また同じ主砲を搭載するFireflyの生産が本格化したことから、本車は劣後扱いになり、生産が本格的に始まったのは1944年3月でした。同年6月のノルマンディー上陸作戦にも参加できず、実戦投入は8月となった不遇の存在です。キットは本車を1950年代まで運用したチェコのHauler社製レジンです。

ファイヤフライVc(Dragon 1/72)

Firefly Vc, 1-72, Dragon

 

チュニジアの戦いでTieger Iに遭遇した英軍は来るべき欧州大陸反攻でドイツ軍の重戦車に対抗する必要性を痛感し、17ポンド砲の搭載可能性を様々に模索しました。こうして生まれたのがファイアフライで、当初はM4A4(シャーマンV)から改造されました。これがVc型です。その後、ベース車両の生産終了に伴い、下記のIc型に移行しました。

ファイヤフライIc(Dragon 1/72)

Firefly Ic, 1-72, Dragon

the. 11th anniversary

 

ドイツ軍の重戦車に対抗するべく、シャーマンに17ポンド砲を搭載したのがファイヤフライです。当初は、M4A4型から改修されていましたが、同車の生産終了に伴い、1944年5月からシャーマン1がベースの当車にシフトしました。精悍な印象は他のシャーマン系列とは一線を画しています。人気があるのも当然ですね。ドラゴンのインジェクションです。

Sherman Mk. V  'Tulip' (Dragon 1/72)

 

シャーマンに航空機用のロケットランチャーを装備した英軍車両です。オリジナルはカナダ軍の発想で、自軍のスタッグハウンド装甲車の火力強化のために空軍装備のロケットランチャー(RCAFロケットランチャーMk.1)を装備したものが端緒です。英軍がそのアイデアをシャーマンに応用したのが本車で終戦間近の1945年3月に登場し、オランダやドイツ国内の戦闘に投入されました。

クロムウェル巡航戦車(Revell 1/72)

Cromwell Mk. IV, 1-72, Revell

 

クルセーダー巡航戦車の後継として開発された車両です。当初はクルセーダーと同様に6ポンド砲を搭載していましたが、これをQF75mm砲に換装したのが、Mk. IVです。巡航戦車とはいえ、クルセーダーに比べてかなり重装備になっています。ノルマンディー上陸作戦から実戦に投入され、戦後まで運用された他、コメット戦車のベースにもなりました。キットはレベルの秀作です。

セントー巡航戦車(IBG Models 1/72)

Centaur Mk. IV (IBG Models 1/72)

 

クロムウェルの派生型として開発されたセントー巡航戦車のバリエーションです。主砲をオードナンスQF95mm榴弾砲に換装して、英海兵隊がノルマンディー上陸作戦に投入しています。砲塔に描かれた目盛り線が特徴ですが、これは上陸用舟艇に搭載されたまま、上陸した歩兵の火力支援を行う際、標準の調整に用いられたようです。キットはIBGのインジェクションです。

A-34 'Comet' Mk. 1A (Vespid Models 1/72)

 

イギリス軍が試行錯誤のうえ生み出した巡航戦車の武装強化型がA-34コメットです。ヴィッカース社が新たに開発した77mm砲を採用し、クロムウエルやセント―の生産を担当していたレイランド社が車台を開発しました。クロムウエルの拡大発展型といってよい外観です。実際の投入は終戦間際のライン河渡河作戦以降だったため、ライバルであるティーガーやパンターとの戦歴は少ないですが。現場の評価は極めて良好と伝わります。

チャーチル歩兵戦車Mk. III (Esci 1/72)

Churchill Infantry Tank Mk. III, 1-72, Esci

the. 11th anniversary

 

低速ながら重装甲で歩兵に随伴する支援戦車という古風なコンセプトですが、高い走破能力を活かして終戦まで第一線で運用された、英軍を代表する戦車です。Mk.IIIは、6ポンド砲を主砲とするという当初のコンセプトをようやく実現したタイプです。キットはEsciのインジェクション。1990年代の半ばに作成した古い作品ですが、英軍の展示開始に伴い、ようやく追加することが出来ました。

チャーチル工兵戦車Mk. III(Dragon 1/72)

Churchill Mk. III AVRE Combat Engine, 1-72, Dragon

ディエップ上陸作戦の反省から生まれた工兵用車両(Assault Vehicle Royal Engineers)です。1944年から生産され、のノルマンディー上陸作戦にも投入されました。チャーチルの巨大な車体は工兵や機材の収納に向いていたと思われます。目を引くのは主砲の290mmペタード臼砲です。トーチカ等への攻撃用ですが、車内から装填は出来なかったようです。

チャーチル自走砲(Dragon + Modeltrans 1/72)

Churchill Gun Carrier, 1-72, Dragon + Modelltrans

 大戦初期、自軍車輛の攻撃力不足を問題視した英軍では、巡航戦車、歩兵戦車それぞれの武装強化を検討しました。本社は、歩兵戦車の強化版でチャーチルに固定戦闘室を設けて3ポンド砲を搭載した、いわば英軍版突撃砲です。24両生産されましたが、こうした車両の運用が確立しておらず、実戦に投入されることなく終わりました。

Ordnance QF 25-pdr on Carrier Valentine 25-pdr Mk.1 ''Bishop'', 1-72, Esci

 the. 11th anniversary 

北アフリカでの機動戦に対応すべく25ポンド砲の自走化の必要性を感じた英軍が開発した自走砲です。バレンタイン歩兵戦車の車台を利用して開発された当車は、その巨大な砲塔をキリスト教司教の司教冠になぞらえ、ビショップ(司教)と呼ばれました。色々と問題も多かったようで、米軍のM7プリーストが優先され、生産は100両あまりに留まりました。

Universal Carrier II Mark. II  (IBG 1/72)

the. 11th anniversary

 

英軍を代表する汎用輸送車です。1920年代に開発されたガーデンロイド・キャリアを源流とし、1940年から汎用輸送車として生産されました。歩兵支援用の車台として各種火器を搭載したバリエーションがあります。生産国も英国以外に多岐にわたり、生産総数は不明ですが、欧州戦線を始め、各種戦線に広く投入されました。キットはIBGのインジェクションに、Modelltransの足回りを追加しています。11周年アイテムとしました。

Daimler Dingo Mk. Ia Vol.1 (S-Model 1/72)

 

WWIIの英軍を代表するダイムラー装甲車です。1938年の陸軍省の発注に応えて開発されました。Dingoはオーストラリアの野犬から取った俗称のようです。乗員2名の小型装甲車ですが、良好な装甲性能と正面装甲30mmの防御力を持ち、各戦線で運用されました。キットはSモデルのインジェクションです。例によって2個1ですので、アフリカ戦線と欧州戦線仕様にしてみました。

Daimler Dingo Mk. Ia Vol. 2 (S-Model 1/72)

 

上記キットを欧州仕様にしたものです。塗装が変わるとやはり印象が変わります。当初、この車両が予備転輪を搭載していないのが不思議でしたが、ランフラットタイヤを装備していたと知り驚きました。幾つかのバリエーションがありますが、これは折り畳み式の屋根を備えたIa型です。

 Humber Scout Car Mk. I/II (Tank models 1/72)

 

ダイムラースカウトカーの成功を受けて、同車への需要が急拡大しましたが、ダイムラー社の生産能力の限界から、他社の参入が求めれました。ハンバー社が自社の汎用車をベースに提案したのが当車です。収容人数が3名になり、ダイムラーより大型の複雑な形状の車体が特徴です。1942年から45年まで4000両余りが生産されました。何と言っても映画「遠すぎた橋」での登場シーンが印象的です。

 

Morris Quad Gun Tractor (ITALERI 1/72)

 

25ポンド砲の牽引車として英軍が多様したトラクター(クォード)の一つです。英国の設計に基づきカナダフォード、カナダGMで生産されたカナディアン・ミリタリー・パターン(CMP)クォードは2万台以上生産されました。本車はシリーズを代表するFAT-2です。タミヤMMの名作のお陰で有名です。キットはイタレリ(旧Esci)のインジェクションです。

 

Long Range Desert Group Patrol Car (Dragon 1/72)

 

1940年にエジプトで編成され、イタリア軍やドイツ軍の後方かく乱任務を務めた長距離砂漠挺身隊(LRDG)が装備したのが本車です。シボレー30cwt (Chevrolets 30cwt)が正式名で、タミヤMMでは以前デザート・シボレーの名を冠していました。過酷な任務に対応して、無駄を極限までそぎ落とした独特の魅力がある車両です。デザートピンクを「赤みが勝ったサンド」説に従い再現しています。

Long Range Desert Group Patrol Car w/ 2cm Canon (Dragon 1/72)

 

英連邦の長距離砂漠挺身隊(LRDG)は、当初フォード30cwtF30 でしたが、その後、LRDG専用に特注されたカナダ製シボレー(本車)に置き換えられていきました。標準的な武装は、ヴィッカース製50口径重機関銃でしたが、それ以外にも様々な装備が用いらています。本車はイタリア軍から鹵獲した20mmブレダ35を搭載したバリエーションです。

SAS Raider 4x4 Truck (Dragon 1/72)

 

1941年に編成されたイギリス軍の特殊部隊SAS(Special Air Service)は、敵の後方施設等への奇襲を任務として、北アフリカ、欧州の各方面で神出鬼没の活躍を見せました。SASが使用したのが、武装を強化し、燃料タンクを増設したジープです。キットはこれを再現したドラゴンのインジェクション。繊細な細部も抜かりなく再現した好キットです。「遠すぎた橋」のイメージで作成しています。

Ordnance QF25 Pounder (ITALERI + AB Figure 1/72)

 

1935年に開発されたWWII英連邦の主力野砲25ポンド砲です。エルアラメインの戦いでは、GF2ポンド砲に代わる対戦車砲としても有用性が証明されましたが、基本的な役割は火力支援です。カナダやオーストラリアでもライセンス生産されています。キットはイタレリ(旧Esci)のインジェクションです。タミヤの縮小コピーのフィギュアが付属しますが、今回はABフィギュアを投入しています。

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